奥山保全プロジェクト<水源の森を市民の手で守る>

世界各地でおこっている水の取り合い。
日本の森林が買収されるのには理由があります。

こんこんと湧き出るミネラルたっぷりの森の水
(長野県根羽村トラスト地内)

基本的に水はタダ。蛇口をひねれば水が出てくるという概念が日本にはあります。それは、日本が豊かな森林を持っているからこそ。 中国等外国の企業が日本の森林を手に入れようとしている理由の一つは 「森林の地下に眠る水資源の確保」です。 諸外国では蛇口から飲める水が出る国なんて稀であり、ほとんどの国では水は購入するものという考え方が一般的なのです。

手つかずの自然林ができるように植林し、豊かな生態系の復元を図る。

●台風や大雨でも崩れない強い森

●エサ場復元。野生生物達が山に帰る。

●持続可能な林業の復活

●水量豊かな湧水の復活

我々日本人は昔、およそ標高800mを境に、人が活用する800m以下の里山と動物が住む800m以上の奥山を棲み分けて、植物も動物も豊かで大量の水を蓄える原生林の森を、自然のまま大切に保存してきました。その水は我々平野で暮らす人間の生命の水なのです。

しかし戦後、動物たちの命を育んでいた奥山の自然林を、拡大造林という国策によって、次々と針葉樹一辺倒の人工林に変え、その後放置されまた開発などにより荒廃し続けています。

このままの状態を放置しておけば近い将来、原生林の森が消滅し、水不足が心配されます。水の不足は、生活用水の不足だけではなく、深刻な食料不足や生態系への影響をもたらします。さらに最近では、気候変動、人口増加、新興国の経済発展等により、世界的に水資源が不足し始めていることは皆さん承知のことと思います。隣の中国においてもしかり。その中国の企業が最近日本の山林を買い込む動きが各地で見受けられ、不気味です。

そこで我々安城市民の水の安全保障を確立するために、※ナショナル・トラストにより森林を買い取り、永久に開発できないように保全と復元をすることが、豊かな森を残すために必要であるという思いを強く持つようになりました。

具体的には、およそ標高800メートル以上の安城市の水源である矢作川水系の原生林と人工林を含む奥山を、市民や企業が力を合わせて買い取り、人間が立ち入ることを禁じたり自然林に再生させ、真に人が自然と共存できる社会を実現することをめざして、「奥山保全トラスト」を設立したいと考えます。

原生林(奥山)の現状と重要性

熊のような大型動物の棲む原生林では、ブナやミズナラなどの落葉広葉樹から差し込む日光が林床を照らし、樹高の低いものから高いものまで幾層にも重層状に森林が生い茂っており、雨水は葉から小枝そして幹に伝わり根の回りの幾重にも積み重なった落ち葉の間にため込み地下に浸透させるのです。このように雨水は、各層で一旦蓄えられるので雨水の勢いを緩衝する力が得られ強力な保水力を維持でき、降った雨はその下流において、1年中ミネラル豊富な水が大量にコンコンと湧き出しているのです。

それに対してスギなどの人工林の場合、生物の気配もなく、スギ以外の野生種が育たず樹木の層状化が見られません。またスギは針葉樹で枝葉にも保水力がなく落ち葉も蓄積されていないのです。つまり雨が降ればダイ レクトに雨水は地面へと到達するので、集中豪雨になれば、雨水の勢いはそのまま下流へ濁流となって押し寄せ災害をも引き起こしているのです。<エコネ10号より>

※ナショナル・トラスト
ナショナル・トラスト運動とは、開発や荒廃の恐れのある貴重な自然環境や歴史的遺産を維持・管理するために、一般の市民や企業から寄付金を募り、集めたお金で土地や建造物を買い取ることで保護する活動。誰もが手軽に環境保全活動に参加することができるという点で特徴がある。本来であれば、国や自治体などが行うべき活動であるが、国などの手が回らない、より身近な自然を守る手法として注目されている。